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練習やリハーサルでは、ほんとうの力がつかない。 [BOOK]

 本番の舞台の上で修行する。練習やリハーサルでは、ほんとうの力がつかない。初代は「糸一本一本に音色を入れる」と言った。それと同じことを二代目竹山も言う。

 わたしが一番求めているのは、技術よりも、音色の良さです。それを追及しています。そのことを表現できてモロに出るのは「三味線じょんから」という曲です。あれは、手の運びも一番凄いのです。さりげなく見えているかもしれないけれども。あの手の動きはとにかく難しい。強弱を出しながら、ゆっくり弾いて音色を残す。間が難しい。微妙な間で、一定の間じゃないんです。それを突き詰めることが私の最大の課題なんです。(中略)「音色の表現を凝縮したものが『三味線じょんから』なんだよ」と、先生に最初から言われていました。これは誰でも弾けるものじゃない、と。ましてや、この曲で合奏ということはありえないですね。一人のしみじみとした、いいところを聴かせる曲だから。

東北を聴く――民謡の原点を訪ねて (岩波新書) より


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